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初出勤の緊張を和らげる方法とは?転職初日の挨拶例も紹介

腹痛に襲われるサラリーマン

就職や転職で、新しい会社にはじめて出社するときは、強い緊張に襲われるものだ。新卒・既卒、若者からベテランまで、初出勤の前日は不安になるもの。前日といわず、数日前からナーバスになって、もういっそのこと入社する前に退職しようと決心しかける人もいるかもしれない。しかし、待ってほしい。初出勤の緊張を和らげる方法がある。これまで10回の初出勤をほぼ無傷で切り抜けてきた私の体験談から、初日の緊張をゼロにする妙手を伝授したい。

初出勤で緊張しない人はいない

私はこれまで9回の転職を経験してきた。つまり10社の企業に勤め、当然ながらすべての会社で初日の緊張感を味わってきた。新卒で入った会社もあれば、20代半ば、30代になってから中途入社した会社もある。

初日や出勤前日は、非常に大きな緊張や不安を感じるものだ。年齢や職種・業界、性別など関係ない。いくら鋼の精神を持っている者でも少しはナーバスになるだろう。

緊張するなといわれて、緊張しない人はいない。浣腸するなといわれて浣腸しないことはできるかもしれないが……。

人によっては、初日の緊張を考えただけで前夜に不眠に陥る人もいるだろう。あるいは、泣き出したり、アルコールを過剰に摂取して現実逃避する人もあるかもしれない。

しかしそのようなことをすると、翌日の初出勤日に目を腫らした状態で、同僚の前に立つ羽目になるかもしれないし、向かい合った同僚に酒臭い息を吐きかけ、それが原因で社内でアル中扱いされないとも限らない。

そうなった初日からすでにダメ社員まっしぐらである。

号泣や痛飲はできれば避けたい。かといって、はじめての出勤がいやだからと言って、もういっそのこと出勤せずにばっくれる、あるいは、メールで退職願いを提出するなど、本末転倒である。

就職を決めるまでにはいくらかの苦労をしてきただろう。時間や手間をかけてきたはずだ。回りの人たちの手を借りて、新しい職場を見つけた人もいるかもしれない。入社する前に退職するというのは最悪だ。

精神状態がどうであれ、せっかく決まった就職先には、必ず初出勤しなくてはならない。ではどうすればいいのだろうか?

解決策は「自己ゲスト化」だ

私も若いころは、初出勤時にいちいちナーバスになっていた。しかしジョブホッピングを繰り返すうちに、次第に緊張をうまくコントロールすることができるようになった。

確か、5回目の転職だったと思う。つまり新卒から数えて6社目の企業に入社したときだ。私はそのとき28歳だった。東京都千代田区にあるその小さな出版社への初出勤日は1月4日だったと思う。仕事始めの日だ。

年の初めに新しい職場に出勤したことがある人ならわかると思うが、これは転職者として最悪である。年末は思い憂鬱の中に沈んでいた。年始の清々しさなどみじんもなかった。

いよいよ初出勤が明日に迫った前日の夜、私は悟りを開いた。

「私のほうが偉いのである」、と。

私はリクナビネクストでその求人を見つけ、エントリーした後、数度の面接を受けた。その時点では求職者である私は、立場的に企業よりも下であったかもしれない。

しかし最終的に、私は企業に要請された。

「入社してくれないか」、と。

すなわち、私は企業に必要とされた人材であり、立場的に上といっても差し支えないのではなかろうか。立場の上下とは別問題といえるかもしれないが、自分を卑下していては、のしかかるプレッシャーに押しつぶされてしまう。

ここは自分を要人ととらえるのがいい、自分をゲストとして考えるのがいいのだ、と私は1月3日の夜に悟ったのだ。

初出勤の緊張を和らげる方法とは、「自己のゲスト化」である。自分は重要人物であり、要人であり、「呼ばれたから来たんだよ」というマインドで出勤すれば、何も緊張することなどないのである。

オリンピック開会式に呼ばれた国家元首とまではいわないが、地域の運動会に呼ばれた区議会議員と同程度には重要人物といって差し支えなかろう。いや、企業に新規に入社する社員は、区議会議員風情よりも、重要な役目を担うはずだ。企業の将来を担う、重要な人材だ。まさに、要人。

私はゲストなのだ、と悟った時、翌日の出勤に感じていた不安や緊張がいっきに雲散霧消した。

では実際にはどうすればいいのか?ヒントは「笑っていいとも」

初出勤の朝、私は会社の人事担当者に連れられて、同僚の前に立った。しかし私は平静だった。すでに自己をゲスト化していた。

言い換えると、自分をお客さま化していた。

私は、この会社にとって、「大事なお客様」なのだと。コンビニに入店して緊張したことがありますか? ないでしょう。ならば、初出勤も同じ。こちらは客なのだ! 緊張するはずがないだろう。

人事担当者が言った。

「今日から一緒に働くことになった、○○さんです」

私は脳内で下記のように変換していた。

「今日から一緒に働くことになった、ゲストの○○さんです」

ここでできれば、「いいとも」のテレフォンショッキングの登場時のBGMをあたまの中で流すと良い。その際、男性なら自分を福山雅治氏、女性なら自身を吉岡里帆氏あたりにすればなおいいだろう。

https://www.youtube.com/watch?v=CnGhdyMC0Vo
「いいとも」のゲスト登場シーンで流れるメロディー

初出勤時の挨拶例

以下に、転職先での初出勤の挨拶例を紹介したい。ポイントは、自分をゲスト・客・要人などと想定することである。そうすれば、無論、緊張とはほど遠い精神状態を獲得できる。

「初めまして本日からお世話になります、(ゲストの)○○です。いままでは主に○○をやってきました。この業界は初めてとなりますが、(スペシャルゲストとして、それなりに)勉強し、早く業務に慣れるように、(ゲストなのにも関わらず)頑張ります。

趣味は○○です(ただし、ゲストなので皆さんとはあまりふれ合いたくないので、プライベートなつきあいは極力控えてください)

(こんなスペシャルワンな私なので、皆様におかれましては、できる限り私に気を遣い、私がストレスを感じないように、細大の配慮を賜りますよう)よろしくお願いします」

以上で初出勤の緊張を完全に取り払うことができるかもしれないし、できないかもしれない。

まとめ

初出勤時の緊張は、自身をゲスト化することで解消できる。私はこれまで9回の転職のうち、最初の4回ぐらいはド緊張によって、前夜から不眠に陥った。しかし後半の5回は、ゲスト化に成功したので、緊張とは無縁の初出勤だった。

会社というところは、とにかくさまざまな場面でストレスや不安を与えてくれるところだ。地獄と言い換えてもいいだろう。多くの人は、転職先の初日が、緊張の日々のスタートになる。

そして一般的には、その緊張のレベルは極めて高いだろう。

しかし心配ない、ゲスト化せよ。自分は会社にとって大事なお客様なのだと、自身に言い聞かせるのだ。そうすれば、初日から1週間ぐらいは、余裕だ。その後会社で受けるストレスにはついては私は関知しない。

私に関してはいえば、ジョブホッピング(転職を繰り返すこと)によって、その場をしのいできた。会社から受けるストレスを根絶する最良の手は、やはり転職することである。