フリーランスになりたい

編集者・ライターはレバテックとクラウドテックのどちらを使うべきか

フリーランスの編集者やライターで、安定的な仕事を得たいのならばエージェントサービスに案件を紹介してもらうのが良いだろう。ここでは、私が利用したことのある2つのサービス「レバテック」と「クラウドテック」を取り上げる。それぞれのメリットとデメリット、さらには私が実際に関わった案件についても紹介する。

編集者やライターが仕事を得るための3つの方法

編集者やライターが仕事を得るための方法はいくつかある。おおまかな方法を挙げれば次のとおりだ。

  • クラウドソーシング(クラウドワークス、ランサーズなど)
  • エージェントサービス(クラウドテック、レバテックなど)
  • 紹介(知り合い、前職のつながり)

クラウドソーシング

クラウドソーシングで大きな仕事を得るのは難しいように思う。というのも、クラウドワークスやランサーズはそもそも単価が低すぎて、効率よく稼ぐことができない。

実際に私は、1本3000円の原稿を書いたり、1文字2円程度の原稿を書いたことがあるが時間ばかりかかって実入りが少なかった。

時々クラウドワークスやランサーズなどで大きく稼いでいるという人をSNSで見かけるが、多分そういった人は少数だろう。あるいはものすごい時間働き、小さな仕事をたくさんこなすワーカホリックなのかもしれない。極めて労働集約的な働き方なのだろうと思う。

もちろん、フリーランスであるからにはそのような仕事もこなさざるを得ない時期はあるだろう。私もあったし、実際のところ今もある。

1日働いて1万円しか稼げなかったということもざらだ。この辺はキャリアやスキル、労働感によるところが大きいのだろうが、クラウドソーシングをメインとする働き方は私は推奨しない。

エージェントサービス

求人紹介サービスやエージェント企業に案件を紹介してもらう働き方は、安定収入を獲得する上では得策と言える。

IT系のフリーランスはほぼこのようなエージェントを活用して仕事を探していることだろう。仕事を紹介してもらい、給料をエージェント会社から支払ってもらうというスタイルだ。

月収というかたちで安定収入を得られるのが利点だ。エージェントを挟めば、面談の設定や就業後の常駐先とのやりとりもすべてお任せになる。

実は、レバテックやクラウドテックなどのエージェントはITだけでなく、編集者やライターの案件も取り扱っている。

案件数はITに比べてすこぶる少ないが、あるにはある。ある程度のキャリア(経験3年程度)があれば、面談までつなげるのは容易だと思う。

紹介

前に勤めていた会社からの紹介や、知り合いからの紹介、さらには現在仕事で付き合いのある人の紹介など、コネクションがあれば案件を振ってもらえることもあるだろう。

残念ながら私は紹介で仕事を受けたことがないほとんどない。前職やその前の会社の関係者とつながりたいと思ったことがないので、こちらから連絡を入れたことはない。また、向こうから高い評価を得ていなかったのかもしれないので、先方から連絡が来たこともない。

ある程度の強固なつながりをもつコミュニティに入り込めれば別なのだろうが、緩いつながりで仕事を紹介したりされたりというのは実はあまり多くないように思う。

あるいは、編集者やライターはそもそもITエンジニアなどに比べて、仕事が少ない点も関係しているのかもしれない。

おすすめはエージェントサービス

エンジニアやデザイナーはもちろん、編集者やライターも安定収入を得たいのならばエージェントサービスを使うのがベストだ。

メリットとしては以下の点が挙げられる。

  • 安定収入
  • 仕事を紹介してもらえる
  • 客先との折衝を任せられる
  • 辞めたいときに辞められる(契約期間終了後)
  • 週1〜週5勤務まで柔軟に対応可能

メリットは多岐にわたるが、何よりも月末に定期収入が入ってくる点は見逃せない。

フリーランスの大敵は「不安定」である。収入の不安定が精神の不安定につながる。先行きも不安定になり、人生が不安定になる。神経が不安定になり自律神経失調症になり、不安が募る。収入という基盤がぐらつき足場が不安定になり、立ちすくむ。そして泣き出しちゃう。これがフリーランスの地獄の悪循環だ。

月収とは精神安定剤である。サラリーマンがつらい仕事を続けていられるのも、月収が定期的に入ってくるからである。いくら些少な金額でも、決まった期日に金銭が手に入るのは幸せである。

エージェントサービスに仕事を紹介してもらう常駐案件とは、つまり擬似的なサラリーマンなのである。収入と精神を安定させるためにも活用したい。具体的なサービスは「レバテック」と「クラウドテック」だ。

レバテックとは

引用:レバテック公式サイト

レバテックはフリーランスを支援する転職支援サービスを展開している。それ以外にも、以下のように、いくつかの関連サービスを提供している。

  • レバテックフリーランス(フリーランスはこれを使おう)
  • レバテックキャリア(エンジニア転職サイト)
  • レバテックダイレクト(スカウト機能付き転職サイト)
  • レバテッククリエイター(WEBクリエイター向け)
  • レバテックエキスパート(ハイクラス向け)
  • レバテックルーキー(新卒向け)

正直たくさんあってわけが分からないが、基本的にはITエンジニアの就職・転職・案件探しを支援するサービスだ。

フリーランスならば「レバテックフリーランス」を使いたい。前述の通り、編集者やライターの案件も含まれている。

ただし、扱っている案件がITに限られるので、編集者やライターが関わるメディアもITメディアがメインだ。紙媒体に関わることはない。

フリーエンジニアの案件なら、レバテックフリーランス

どのくらいの案件数があるのか

私が使っているサービスは前述の通り「レバテックフリーランス」だ。登録しなくても、案件は閲覧できる。「編集」で検索した結果がこれだ。

動画編集やメディアのディレクションなど多岐にわたる。公開中の案件は2021年12月30日時点で27件だが、中にはエンジニアの仕事も含まれているので検索精度は低い。

登録すると使えるサービス

ウェブ登録すると、その後営業担当者との面談がセッティングされる。面談時間は1時間程度だ。これまでのキャリアや探している仕事などについて共有する。その場でいくつか案件を提示されたりもする。

面談後、会員専用サイトが開設され、IDやPASSが送られてくるのでログインすると、案件検索や進行中の案件の進捗状況が確認できる。

レバテックのメリット

レバテックのいいところは、IT系の案件が豊富なところだ。検索するとわんさか案件がヒットする。ITエンジニアにはいいだろう。しかし編集者やライターの仕事を探している人にとっては、案件数が若干心許ない。

レバテックのデメリット

編集者やライターにとって案件数が少ない点はデメリットだ。しかしそれよりも問題なのは、専用サイトでの検索精度だ。編集やライターの仕事をキーワード検索してもうまくヒットしない。

ヒットするのはエンジニアの仕事ばかりだ。この使いづらさは改善の余地がある。

また営業担当者のレスポンスが悪い点も気になる点だ。多忙で返信が遅いのかもしれないが、もう少し頑張っていただきたい。

実は私はレバテックで仕事をしたことが一度もない。なぜなら後述するクラウドテックよりも使い勝手が悪く、案件数も少ないからだ。

ただし、面談は一度だけある。しかし前々日になって、突然、先方都合で面談を無しにしてほしいと言われ、流れた。別段レバテックが悪いわけでは無いが、肩透かしを食らったかたちになった。

レバテックで案件を獲得するためには

案件は基本的に営業担当者からの連絡を待った方が良いだろう。ITエンジニアは能動的に仕事を探すのかもしれないが、編集者やライターは案件数が少ないので、こちらから応募せずとも、営業が提案してくる。

案件には波があり、時期によって立て続けに仕事が紹介される。逆にまったく音沙汰無しという期間も続く。その場合は、こちらから営業担当者にダイレクトに「案件がないか」問い合わせた方が良いだろう。案外、すぐに仕事を提案してくることもままある。

フリーエンジニアの案件なら、レバテックフリーランス

クラウドテックとは

引用:クラウドテック公式サイト

クラウドテックはクラウドワークスが展開するフリーランス向けの求人紹介サービスだ。レバテック同様、IT系企業の案件をメインに扱っている。よって、編集者やライターもITメディアに関わることになる。紙媒体に関わることはない。

どのくらいの案件数があるのか

クラウドテックもまた登録しなくても、案件は閲覧できる。「編集」で検索した結果がこれだ。

動画編集やメディアのディレクションなど多岐にわたる。公開中の案件は2021年12月30日時点で34件だ。レバテックと違い、表示される案件は編集やライティングなので、検索精度は高い。

登録すると使えるサービス

ウェブ登録すると、レバテック同様に営業担当者との面談がセッティングされる。面談時間は1時間程度で、これまでのキャリアや希望する仕事等について伝えることになる。

会員登録すると、契約一覧や応募履歴などが閲覧できるようになる。

クラウドテックのメリット

クラウドテックは案件が探しやすく、レバテックよりも案件数が豊富だ。ただしこれは編集者やライターの仕事の場合だ。ITエンジニアについてはこの限りではないかもしれない。

私は2度、クラウドテックで紹介された案件にジョインしたことがある。決まるときはかなりスムーズに決まる。そのときも複数の案件から、こちら主導で選べた。月収は40万程度だった。悪くない仕事だった。

クラウドテックのデメリット

デメリットはサポートのレベルが低い点だ。これはレバテックにも言えるのだが、営業担当者がつきっきりになってくれるわけではない。面談の手配や就業中の相談などはサポート担当者とやりとりすることになる。

一度、取材時にかかった費用は自腹かもしくはクラウドテックに請求していいのかという問い合わせをしたことがあった。返事がなかなか来ず、数日してから要領を得ない回答が来た。

どうやら上に確認している様子だった。その後数日待っても回答がなかったので、面倒くさくなり「請求しなくていいです」といった具合に投げやりになってメールを送った。

回答が遅れて申し訳ございません、といったメールを期待していたりもしたのだが、残念ながらその後サポート担当者から連絡が来ることはなかった。

クラウドテックで案件を獲得するためには

クラウドテックは求人検索サイトで、編集者やライターの仕事を探しやすい。積極的に検索し、応募するのが良いだろう。

同時に、営業担当者やサポートが、こちらののぞむ条件に合った仕事を紹介してくれる。複数の求人を提案してくれるときもあるので、ぜんぶ応募するぐらいの意気込みで臨みたい。

レバテック同様、まったく案件が見つからず、先方からの連絡も途絶えがちになったら、こちらから営業担当者にダイレクトに「案件がないか」問い合わせた方が良いだろう。

結論:両方登録して、メインはクラウドテックで

編集者やライターにとっては、まずは両方に登録して、先方から案件を紹介してもらうのがいいだろう。自分で検索するのもありだが、なかなかいい仕事が見当たらない場合は営業担当者にダイレクトにメールを送って案件を振ってもらうようにすると良い。

ただし、使用するメインサービスはクラウドテックが良い。案件数が違う。正直なところ、営業担当者やサポート担当者はどんぐりの背比べだ。

彼等に期待できることは少ない。一応報酬を中抜きしているのだから相応にサポートしてほしいように思うが、それは過大な期待なのかもしれない。仕事を紹介してくれただけでも儲けものとしてとらえるのがいいだろう。