働きたくない

仕事を辞めたいのに上司に言えない?解決策は逆転の発想で

仕事は辞めるためにあると喝破したのは誰だったか。今は思い出せないが、偉人はだいたいにおいて会社を辞めている。アインシュタイン、エジソン、山下、田中、佐藤、ジェイソン、マメドフスキー、キャサリーナ、ボブ北村。

彼等もまた仕事を辞めたいと言えずに苦しんできたという。はっきり言って、解決策はただ一つだ。ここで伝授しよう、秘策であり、最終奥義であり、秘技であり、裏技であるところのサンダーフラッシュみたいな技を。

仕事を辞めたいのに上司に言えない理由

会社に勤めているとふとした瞬間に退職したくなるものだ。そして、一度辞めたいと考えたら、止まらない。そんな時にはすぐに上司や総務部に退職の旨、連絡したい。しかしなぜか身体が金縛りになり、言えなくなる。

まずは代表的な、「言えない理由」を紹介する。

  1. 上司が怖いから
  2. 家族ブロックもしくは家族を不安にさせるから
  3. 転職先が決まっていないから
  4. 仲間が好きだから
  5. 退職理由が特にないから
  6. 引き留められそうだから

上司が怖いから

まずは上司が鬼のように怖く、辞めたいといったら殺戮される可能性に怯えているケースがある。別段暴力は振るわれないと思うが、怖い上司というのは何をするか分からない。突然、切れる可能性は大いにあるが、いきなり泣き出したりすることもあり得る。

ハラスメント系上司は情緒が不安定だから、たちが悪い。いろんな意味で怖いので、部下からの退職の申し出という大イベントに直面すると、予想外の出来事が発生する。それを想像するだけで、辞めるのを辞めようと思ってしまうのだ。

家族ブロックもしくは家族を不安にさせるから

家族にとって働き手というのはATMである。共働きの場合、自分がATMであり、配偶者もATMである。これは自明である。

会社を辞めるとは世帯の経済力が半減することを意味する。外食の回数が減り、旅行の行き先が近場になり、被服費が減り、飲料水が水道水になり、菓子はすべて食パンの切れ端を揚げて砂糖をまぶしたやつになる。

配偶者としてはたまったものではない。子どもが知恵のある年齢の場合も全身全霊でブロックしてくるだろう。

転職先が決まっていないから

会社を辞めたくなったら、何が何でも辞めたいと思う。すぐにでも辞めたいと思う。衝動的に辞めたいと思う。LINEで辞めたいと伝えたくなる。電報を打ちたくなる。上司のお宅に電撃訪問して辞めたいと告げたくなる。

そうなると、転職先が決まっていない段階で退職することになる。結果、路頭に迷い、河川敷暮らしがスタートする。

想像すると、何も行動できなくなるのは道理だろう。転職先が決まっていないから、言い出せない。そういう人はだいたいにおいて、追い詰められないと転職活動をしない。つまり、辞めない。

仲間が好きだから

仲間の悲しむ顔を想像すると、言い出せなくなる。しかしそれは無意味だ。なぜなら相手はあなたのことをそんなに重要人物と考えていないからだ。相手が気落ちするから退職を言い出せないという思い込みほど、汚らしい自意識はない。

退職理由が特にないから

「それでなぜ辞めるのかね?」と上司に問われて、理由を言い出せなかったらどうだろう。おそらく、辞められないだろう。そうなると、辞めるといって辞めない痛々しいやつになる。

しかし本来は会社など軽やかに辞めればいいのだ。理由など不要だ。しかし、何も思いつかないと引き留められた後に元の鞘に収まる。地獄の日常が続くのだ。

「理由はないけど辞めます」と言い切る気概がないのであれば、まずは理由をひねり出すか拵えるかどちらかするのが良いだろう。

引き留められそうだから

思い上がるな! 君のような人材は掃いて捨てるほどいる。路地裏の側溝にも有能な人材は転がっている。便所の排水口をさらえば君よりも数段有能な人材がわんさか採用できる。思い上がるなよ!

「辞めます」と言い出す方法とは

みてきたように、人は簡単には辞職を言い出せない。相手は上司であり、家族であり、自分自身だ。

私ごとを言わせてもらえば、これまで10社の会社を辞職してきた。20代で8社ぐらい辞めた。いずれも、逡巡した後の退職願だ。悩み、思い詰め、酒を浴びるほど飲み、誰に相談することなく、決断は自分でくだした。

養う家族がいなかったのが大きかったのかもしれない。行動力があったのだろう。自暴自棄だったのかもしれない。しかし、私にできたのだ、あなたにも必ずできる。

方法は簡単だ。無能になれ。思わず辞めさせたくなる人材になればいい。そうすれば引き留めにも合わないし、仲間に泣かれる心配もない。自分を過大評価する必要もない。辞めたいですといった瞬間、上司は「御意」というだろう。仲間はその日に「今すぐ辞めろ!」「明日から来んな!」とエールを贈ってくれるはずだ。

きっと君ならできる。そう、君は、きっと、無能だ。私みたいに。